教員インタビュー INTERVIEW
飛翔体や移動しているモノへのワイヤレス給電を探求。
身の回りから電気をつくるエネルギーハーベスティングにも取り組む
磁界やマイクロ波によるワイヤレス給電の可能性を探る
もともとは超伝導デバイスをつくったり、シミュレーションで特性を調べたりしていました。高周波の超伝導フィルターを手掛けていたこともあり、本学にメカトロニクス工学科が開設された2013年から、高周波に絡んだワイヤレス給電(無線電力伝送)の研究を始めました。
ワイヤレス給電は、ケーブルなどを用いずに電波を使って機器に電力を供給できる仕組みです。2つのコイルを近づけて磁界を発生させる磁界共鳴、スマートフォンの充電器にも用いられている電磁誘導、遠いところに電力を飛ばす場合はマイクロ波など、いろいろな方法があります。規模は大きく違いますが、機械にタッチした際に電源と信号のやり取りをするICカードや、宇宙に衛星を飛ばして太陽電池でつくったエネルギーをマイクロ波で地上へ送る宇宙太陽発電も原理的には同じです。
ワイヤレス給電は、ケーブルなどを用いずに電波を使って機器に電力を供給できる仕組みです。2つのコイルを近づけて磁界を発生させる磁界共鳴、スマートフォンの充電器にも用いられている電磁誘導、遠いところに電力を飛ばす場合はマイクロ波など、いろいろな方法があります。規模は大きく違いますが、機械にタッチした際に電源と信号のやり取りをするICカードや、宇宙に衛星を飛ばして太陽電池でつくったエネルギーをマイクロ波で地上へ送る宇宙太陽発電も原理的には同じです。
当研究室では、磁界共鳴とマイクロ波をメインに、災害現場での作業ロボットへの電力中継システムなど、さまざまな場面でワイヤレス給電の可能性を探っています。障害物が多い所へ直接、電力を送ることは難しいため、ドローンのようなものを飛ばして中継できればと考え、まずは飛翔体や移動しているモノへの給電を模索しているところです。
基本に充実に、手を抜かないことが間違えないための近道
ワイヤレス給電は、位置のズレなどで給電効率が落ちてしまいます。最近、空間と時間の対称性が保たれるつくり方をすると、ある範囲まで距離を離しても給電効率が変わらない方法が提案され、本研究室でも昨年からこの方法に取り組んでいます。これまでほとんど報告されていない周波数で試みた昨年の学生の成果では短い距離で条件が成り立っているように見えますが、今後これをさらに確認するとともに、どのあたりのパワーまでいけるのか、距離をどこまで離せるか、たくさん試すことが必要です。
さまざまな乱れに対し、少し条件がズレたとしても給電効率が落ちないように強い方式を使ったり。周波数を変えてみたり、コイルの配置を考えたり。ものをつくって測定しなければ進まない研究内容ですが、基本を踏まえ、手を抜かないことが間違えないための近道です。学生たちには、手を動かしてつくってみることに関心を持ってほしいと思っています。
さまざまな乱れに対し、少し条件がズレたとしても給電効率が落ちないように強い方式を使ったり。周波数を変えてみたり、コイルの配置を考えたり。ものをつくって測定しなければ進まない研究内容ですが、基本を踏まえ、手を抜かないことが間違えないための近道です。学生たちには、手を動かしてつくってみることに関心を持ってほしいと思っています。
エネルギーハーベスティングも研究テーマのひとつです。光や風、熱、振動など、身の回りには微小なエネルギーがたくさんあるものの有効に使われていません。そういったものを回収して電気エネルギーに変換できれば便利ですよね。当研究室では、特に電波からの発電について研究しています。最近は、いろいろなものにセンサーを付けてネットワークでつなぐIoTが広まっていますが、センサーも電気を使うため電池を搭載し、劣化すれば交換が必要です。センサーの数が増えると、電池交換も膨大な数になるため、身の回りの微小なエネルギーを有効活用し、電池交換をしなくても済むようにできればと考えています。